一般口座と特定口座、源泉徴収の有無?

2024年1月26日個人税制

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証券会社で口座を作成する際、特定口座と一般口座があり、どちらにするのか悩んだ経験のある方は多いと思います。

特定口座には、更に源泉徴収ありと無しが選べ、当時は何を聞かれているのか、さっぱり分かりませんでした。

ネットで調べると、証券会社が税金の計算をしてくれるのが特定口座、してくれないのが一般口座とあります。

更に税金の支払いまでしてくれるのが源泉徴収ありで、これなら自分で確定申告する必要がない事がわかりました。

当時は確定申告とは無縁だったので、この時点で特定口座(源泉徴収あり)一択です。

でも、よくよく調べて見ると、一般口座や源泉徴収無しの口座にも、それなりの存在理由があり、また源泉徴収有りでも、確定申告した方が有利になる場合がある事もわかってきました。

今回は、証券会社の口座種類や、税金のルールについて、整理してみましょう。

 

証券会社の口座種類

まず、基本的な知識として、証券会社に開く口座の種類をおさらいしましょう。

一般口座

一般口座は、証券会社が扱う全ての商品に対応した口座ですが、通常は、特定口座で管理できない非上場株式、先物・オプション取引などを管理する時に使います。

証券会社が作成する「取引報告書」をもとに、確定申告の為の「計算明細書」等を自分で作成し、申告・納税する必要があります。

特定口座

特定口座は、上場株式・投信(外国株式・外国投信含む、以下同じ)、特定公社債等を対象に受け入れる事ができ、損益計算を証券会社が行ってくれる口座です。

特定口座(源泉徴収なし)は、証券会社が作成する「年間取引報告書」をもとに、自分で確定申告して納税する口座です。

特定口座(源泉徴収あり)は、証券会社が配当金(分配金・利金含む、以下同じ)と譲渡損益に係る税金の計算をし、納税までしてくれる口座です。

基本的に確定申告不要ですが、申告した方が有利であれば、自分で確定申告して還付を受ける事も可能です。

一つの口座内に譲渡損益と配当所得がある場合、どちらか一方を申告する事もできますが、譲渡損の申告を行う場合は、配当所得も申告する必要があります。

大きな譲渡損が出て損失の繰越制度(翌年以降3年間)を適用する時や、他の収入次第で申告有無を決めるができる為、多くの人が特定口座(源泉徴収あり)を選ぶと思います。

複数の口座がある場合

複数の特定口座(源泉徴収あり)がある場合、口座毎に申告するかどうかを選択できます。

複数ある口座を全て申告してしまうと、合計所得が多額になって、翌年の国民健康保険料が上がってしまう場合などは、必要な口座のみを申告対象にする事ができます。

例えば、譲渡損が配当所得と相殺しきれない口座がある場合、その損を埋めるだけの配当所得がある口座を選んで申告すると、合計所得にあまり影響を与えずに、損益を通算する効果を得られます。

なお、申告する対象は口座毎に選べますが、申告を選んだ口座で配当所得を申告する場合、申告分離課税か総合課税か、どちらかに統一して申告する必要があります。

源泉徴収の有無

ここで、源泉徴収の対象について確認しておきましょう。

配当金については、証券口座の種類に関わらず源泉徴収される為、一般口座や特定口座(源泉徴収無し)であっても、源泉徴収されます。

従って、特定口座における源泉徴収の有無は、譲渡損益が対象という事になります。

一般口座や特定口座(源泉徴収なし)の場合、譲渡損益に対する源泉徴収はされないので、申告納税が必要です。

また、配当金との損益通算をする場合も、確定申告が必要です。

申告不要制度

上記で見たきたように、特定口座(源泉徴収あり)は、他に収入があっても、申告不要とする事ができます。

一方、一般口座と特定口座(源泉徴収無し)は、基本的に確定申告が必要ですが、年間を通じて譲渡損益と配当金の合計が20万円以下の場合は、申告不要制度の適用を受ける事ができます。

従って、年末調整で完結する給与所得者で、ごく少額の運用に限定される場合は、こちらを選んだ方がいい場合があります。

ただ、この場合であっても、配当金は既に源泉徴収されていますので、この分の税金が不要になる訳ではありません。

まとめ

口座種類毎の特徴を簡単にまとめると、以下の様になります。

口座種類 対象 源泉徴収 確定申告 申告方式
一般口座 全て 必要
20万以下は不要
申告分離
or
総合
特定口座 非上場株式、先物・オプション取引等を除く
あり 不要
してもいい

 

外国税額控除

以前、外国株式は一般口座での受入しかなく、税金の計算がネックで運用をためらう要因にもなっていましたが、今は特定口座での運用が可能になっています。

ただ、海外と日本では税金の制度が異なるので、海外と日本で二重に課税された分を確定申告で取り戻す必要がありました。

この点の煩わしさを解消する為に、二重課税調整制度が新設されました。

2020年以降、東証に上場している外国資産を運用する投信・ETFについては、基本的に二重課税調整制度に対応しており、確定申告が不要になっています。

一方、東証に上場していない外国株式の配当については、引き続き外国税額控除を受ける為に、確定申告が必要になるケースがあります。

一例として、米国と香港における配当金と外国税額控除の要否は、以下の様になります。

現地での課税 国内での課税 外国税額控除
米国株式 10% 20.315%
香港株式 なし 20.315% 不要

上記の株式では、売却益に関する現地での源泉徴収はないので、売却益の外国税額控除はありません。

外国税額控除の申告方式についても、申告分離課税と総合課税が選べる為、どちらか有利な方を選択します。

 

最後に

今回は扱いませんでしたが、新NISAが2024年1月からスタートしました。

そもそも非課税枠なので、一般でも特定でもない第3の口座という事になります。

小規模な運用であれば、NISAでの運用のみで足りるかもしれませんが、それでも含み損が出た場合は悩ましいですね。

ある程度の運用規模になると、税金との絡みは避けられませんが、給与収入がある内は、申告の手間が省ける特定口座(源泉徴収あり)は、大変ありがたい存在だと思います。

一方、年金生活暮しなど収入が少なくなった場合、申告した方が税金が還付されるケースが増えてきます。

次回は、確定申告する場合の申告方式や、2023年確定申告における制度改正について扱います。