合同会社 vs 株式会社 まとめ
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前回までの記事で、合同会社と株式会社、両者の設立方法、及びその違いについて書いてきました。
合同会社なら2社の設立を経験済みですが、株式会社の設立方法を書いてみると、公証役場に出向く点が、やや面倒に感じます。
反面、世の中的には、ひとり社長の会社設立であっても、株式会社の方が人気があるようです。
以下、両者の比較をまとめてみました。
両者の違い
会社設立・運営時
合同会社 | 株式会社 | |
設立費用 | 70,000円 | 212,000円 |
公証役場手続 | なし | あり |
所要期間 | 約1週間 | 約1週間 |
役員重任登記 | なし | 10年に一回 |
決算公告 | なし | 毎年 |
違いは費用面と、公証役場の認証手続きに行く必要があるかないかで、手間について、そんなに違いはないとも言えます。
所要期間は、実印をネット注文することも考慮し、1週間としましたが、行政書士に丸投げするなら、3日程度でもいけます。
検索すると、「会社設立最短3日」とか出てきますので、不可能ではないでしょう。ただ、その分、多少お高くはなると思います。
3日で法務局に持ち込んでも、謄本が取れるようになるまで、どのみち1週間程度を要しますので、あまり焦らず、余裕のある日程で取り組みましょう。
株式会社場合、役員の任期を定款で定める必要があり、これが最大10年とされているため、設立後10年すると役員重任登記が必要になります。
重任登記をしないと過料が課されることになっていますし、実際に数万の過料を払うはめになった話を聞いたことがあります。
さらに、法務局が職権で会社登記自体を抹消することもあるそうですから、痛い目に会わないとも限りません。
忘れがちですが、株式会社は合同会社と違って、毎年、決算公告を出す事が定めれれています。
これも、世に何十万社とある中小企業のどれだけが守っているのか疑問ですが、許認可事業を営む法人とかであれば、襟を正して対応すべきでしょう。
ちなみに、官報に公告すると数万円かかりますが、電子公告をサイト経由で依頼すれば数千円程度ですので、大きな負担ではありません。
代表者の呼称など
合同会社 | 株式会社 | |
代表者 | 代表社員 | 代表取締役 |
略称 | (同) | (株) |
銀行口座 | ド) | カ) |
英文略称 | LLC GK | Ltd. Inc. |
知名度 | 低い | 高い |
代表取締役って、かっこいいですよね。一度は自分の名刺に書いてみたいものです。
対して、代表社員って…
なんだか、労働組合がない会社での、形ばかりの従業員代表みたいです。
合同会社があまりメジャーになれないのも、この点が大きな原因ではないかと思ってしまいます。
ビジネスを続ける上では、そんな見てくれはあまり関係ないとも言えるので、気にならない人にとっては、代表社員でもいいでしょう。
特にサービスライン毎に屋号を付けてビジネスを展開する場合は、法人名はあまり表に出てきませんので、どちらにするのかは、あまり重要ではありません。
ただ、取引先に銀行口座をお知らせする時、合同会社の略称は、ド)になります。
このド)という変な略称を取引先にお伝えすると、「これ何ですか?」という質問を受けることがあります。
ゴ)でないのは、合同会社の制度ができる以前から、合名会社、合資会社という制度があるためです。みんなゴ)になってしまいますよね。なので、合名会社はメ)、合資会社はシ)と略します。
余談ですが、この合名会社と合資会社、大昔からありますが、世の中に本当に存在するのでしょうか?新たな設立件数も少なく、レアキャラと言えるでしょう。
因みに、(同)と略されて書いてあるのを、私は見たことがありません。略すと余計わからなくなるので、面倒くさくても「合同会社」と書いているのだと思います。
英文表記は、LLCとすると格好いいですが、会社制度は国ごとに違いますので、合同会社、株式会社と全く同一の会社制度は、海外にはありません。
なので、合同会社をGKとしたり、株式会社をKKと表記するのをたまに見かけますが、Inc.などを合同会社で使ったとしても、間違いではありません。あまり一般的ではないというだけです。
まとめ
どちらの法人格にするかは、始めようとするビジネスの態様、個人的好みなどで決めればいいと思います。
その点を最後にまとめてみます。
合同会社の方が向いている場合
- 初期費用を節約したい
- 手続はなるべくシンプルなのがいい
- 法人名とは別に、屋号がある
- 世の中的にマイナーであっても気にしない
株式会社の方が向いている場合
- 初期費用は気にならない
- 手続が多少増えても気にならない
- 法人名を表に出してビジネスを展開する
- 法人格で変な質問を受けたくない
- 代表取締役を名乗りたい
いかがでしたでしょうか。
次回は、法務局で謄本が取れるようになってから、必要となる手続きについて、まとめてみます。